高齢者の血痰・喀血から考えられる病気

高齢者の血痰・喀血から考えられる病気

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血痰(けったん)は血液の混ざった痰、喀血(かっけつ)は咳き込んだときに血液を吐き出すことです。どちらも呼吸器系疾患の症状として現れます。高齢者において血痰や喀血の症状が見られる代表的な病気を紹介します。


■ 肺結核   【自覚症状】37℃前後の微熱、咳、痰、倦怠感、食欲不振、寝汗など。病状が進行すると、血痰、鮮紅色の喀血、息切れ、体重減少なども。

肺結核は、結核菌の空気感染によって肺に病巣が形成され、肺の機能が奪われる致死性の感染症です。日本では、一時期、肺結核は過去の病気と見られていましたが、2010年には23,000人以上が発症し、年齢別では高齢者の罹患率が際立って高くなっています。感染力が強く、大変危険な病気であるため、現在は「感染症予防法」によって患者の結核病棟への入院が義務づけられています。発病当初の病状は風邪に似ていますが、市販薬を服用しても改善が見られず、2週間以上にわたって微熱、咳、痰が続く場合は、内科または呼吸器科を受診してください。咳き込んだときに血液を吐き出す喀血が見られたときにはすでに相当進行しており、治療が長引くことになります。

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■ 肺癌   【自覚症状】慢性の咳。咳とともに血痰、または喀血。食欲不振、体重減少、疲労感、脱力感、胸痛、息切れなども。

肺癌の原因としてもっとも多いのは喫煙です。患者の約85パーセントは喫煙が原因と言われています。喫煙者の肺癌は、一般に吸い込んだたばこの煙に含まれる発癌性物質が気管支や肺の肺胞(ガス交換を行う小さな半球状の袋)の中に付着し、その上皮に癌を発生します。このように肺の内部の上皮に発生する原発性肺癌は、非喫煙者であっても他人の喫煙による副流煙や大気汚染物質、化学物質などの発癌性物質によっても発生する場合があります。また、他の臓器に発生した癌が進行すると、よく肺に転移して肺癌を発症します。そのため、肺癌はすべての癌の中でもっとも死亡者数の多い癌となっています。

肺癌の治療法には、癌組織を切除する外科手術、抗癌剤を投与する化学療法、癌細胞だけを攻撃する抗癌剤や抗体を投与する標的療法、放射線で癌細胞を破壊する放射線療法があります。上記のような自覚症状が見られたときは、肺癌がある程度進行している場合が多く、これらの治療法を組み合わせて治療することになります。しかし、定期的な癌検診によって自覚症状のない早期の段階で発見できた場合は、体への負担がもっとも小さい治療法を選択して治癒させることも可能です。

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