高齢者の手足のしびれから考えられる病気
高齢者の手足のしびれから考えられる病気
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手足のしびれが顕著に現れる高齢者の病気としては、次のようなものがあります。
■頚椎症性脊髄症 【自覚症状】首の痛み、肩凝り、手足のしびれ、細かい手作業(筆記・箸使いなど)がうまくできない、歩行時にふらつくなど。
背骨の首の部分を構成する頚椎(けいつい)において、椎間板(ついかんばん)が加齢とともに縮小したり傷んだりして変形すると、椎骨(ついこつ)自体やそれをつなぐ靭帯も変形して変形性頚椎症を発症し、首の痛みや肩凝りに悩まされます。それに伴い、椎骨の中を貫いている脊髄が圧迫され、それによる症状が現れた場合を、頚椎症性脊髄症と呼びます。この病気は早期に治療を開始した場合、頚椎カラーの装着によって1ヶ月ほどで改善することも少なくありません。しかし、長期間改善がなく、病状が進行した場合は、脊髄が通る椎骨の脊柱管を拡げる手術が必要になります。
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■頚椎症性神経根症 【自覚症状】首の痛み、肩凝り、手のしびれと感覚麻痺、肩から手にかけての痛み、手の力が入りにくくなるなど。
前述の頚椎症性脊髄症と同様に変形性頚椎症を発症したとき、脊髄から分岐している神経(神経根)が圧迫されて症状が現れた場合を、頚椎症性神経根症と言います。この病気は、頚椎の牽引療法や頚椎カラーによる治療が有効であり、通常は手術なしで治癒させることができます。また、治療せずに自然治癒することも珍しくありません。
■手根管症候群 【自覚症状】手の親指・人差し指・中指と薬指の中指側にしびれや痛み。
手根管(しゅこんかん)とは、両手首の手の平側にある骨と靭帯で囲まれた管状部分のことです。そこには肩から指先にまで走る神経(正中神経)が通り、指や手の平を動かす腕の筋肉の腱も多数通っています。手根管症候群は、原因は不明ですが手根管の内圧が高くなり、正中神経が圧迫されて発症します。指のしびれや痛みは、夜間、睡眠時に強くなり、痛みで目が覚めることもあります。また、進行すると、手の平の親指の付け根にある筋肉(母指球筋)が衰弱し、細かい手作業や物をしっかりと握る動作が困難になります。異常に気付いたときは、なるべく早く整形外科を受診してください。悪化すると手術が必要になります。
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