高齢者がお風呂に入りたがらない理由
高齢者がお風呂に入りたがらない理由
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●年を取ると入浴が面倒になる
1960年代か70年代頃まで、平均的な日本人の入浴は週3回程度というのが一般的だったと思います。しかも、その頃は町内に銭湯がかならず1軒はあり、内風呂がある人でもよく銭湯を利用したものです。しかし、その頃から内風呂が急速に普及してゆき、いつの間にか家庭での入浴やシャワーが毎日の日課になりました。
こうして入浴習慣を定着させた勤労世代は、どんなに夜遅く疲れて帰っても、ひと風呂浴びてからベッドに入るか、朝すっきりするためにシャワーを使うことが当たり前になりました。朝の通勤電車や職場・取引先などで恥ずかしい思いをしたくないからです。この習慣を身につけた世代は、60歳や70歳になっても、現役でいる限りは毎日の入浴を欠かさないでしょう。
しかし、リタイアして毎日通勤する必要がなくなると、入浴がおっくうに感じられるかもしれません。いつもすっきりと身綺麗にしておく必要がなくなるからです。必要性を余り感じなくなると、体や頭を洗うことは気持ちいいと思えても、髪の毛を乾かして整えることなどは面倒なことに思えてきそうです。健康な人でも、このような理由から入浴をサボるようになるのでしょう。
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●認知症による錯誤や恐怖心
高齢者でも健康な人は、入浴習慣を変えることは少ないと思われます。それでも、老化による体力の衰えや体の不調で入浴が大きな負担となったり、血圧が気になったりして、入浴回数が減るかもしれません。また、高齢者に多い病気の中でも認知症を患った場合は、その影響が深刻であり、介護に当たる人が入浴させようと思っても断固として拒否するケースが珍しくないようです。
認知症患者が入浴を拒否するのには、大きく分けて2種類の理由があると思われます。ひとつは、認知症患者に限ったことではありませんが、介護に当たる人の存在を意識するためであり、さらに言えば、年老いた肉体や下着を人目にさらしたくないという羞恥心や自尊心があるからです。もうひとつは、病状が進行した患者の場合ですが、入浴をすでに済ませたという勘違いや、入浴という行為自体が理解できないなどの症状によるものです。また、浴室での転倒や浴槽で溺れそうになった経験のある患者は、恐怖心で入浴できないとも言われます。入浴を拒否する認知症患者に対しては、その心理状態や治療・介護記録を理解して対処することが大切です。
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