高齢者の湿疹から考えられる病気

高齢者の湿疹から考えられる病気

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高齢者では、加齢による肌の乾燥や免疫機能の低下などから、湿疹に悩まされることがよくあります。ここでは、そのような湿疹の中で、特定の病気が原因で湿疹を発症するケースについて説明します。

■乾皮症(かんぴしょう) 【自覚症状】膝と足首の間や背中の湿疹。

男性ホルモンの一種(アンドロゲン)の分泌量低下によって皮脂の分泌も減少し、皮膚が乾燥する病気です。高齢者では、加齢が原因でこの現象がよく見られます。それによって、特に乾燥しやすい下腿部(膝と足首の間)や背中を中心に湿疹ができ、皮脂欠乏性湿疹とも呼ばれる症状が現れます。
皮脂欠乏性湿疹の形状は、丸い形をしてやや膨らみのある貨幣状湿疹が一般的です。大きさは様々ですが、単発あるいは比較的少数発生し、強い痒みを伴います。年間を通して発症する可能性がありますが、乾燥する冬に増加・悪化する場合が多いようです。

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■帯状疱疹(たいじょうほうしん) 【自覚症状】赤い湿疹、小さな水疱(水ぶくれ)、ズキズキとうずく痛み。発疹の約1週間前に患部に違和感やピリピリした痛みも。

水痘(すいとう)の原因ウイルスである水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症です。高齢者では、過去に感染して水疱瘡(水痘)を発症したウイルスが神経細胞の周囲に潜伏し、加齢による免疫機能の低下とともに活性化して帯状疱疹を発症させます。潜伏場所で発症し、神経に沿って感染を拡げ、湿疹が現れます。
治療は、通常、抗ウイルス剤を中心とした投薬治療で行われ、約1週間で水疱がかさぶたになって治癒します。しかし、高齢者では、感染部位の神経が損傷を受けた結果として、帯状疱疹後神経痛と呼ばれるピリピリした痛みが残る可能性があります。この後遺症を残さないためにも、帯状疱疹の治療はなるべく早期に行うべきであり、速やかに皮膚科を受診してください。

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