高齢者に多い肌が痒くなる病気

高齢者に多い肌が痒くなる病気

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■乾皮症  【自覚症状】 下腿(膝からくるぶしまで)・足の甲・背中などの肌の乾燥。乾燥した肌の局所的な痒み。

乾皮症とは、一般に乾燥肌ドライスキンと呼ばれる肌の状態のことです。高齢者では、男性ホルモンのアンドロゲンが減少することによって皮膚に分布している皮脂腺の機能が低下し、皮脂の分泌量が減ります。皮脂は皮膚を保護するバリヤーですが、その分泌が減ることで表面の角質層から水分が蒸発しやすくなり、肌が乾燥します。

乾燥した肌は、表面の角質層が細かくひび割れた状態となって、外界からのさまざまな刺激を受けやすくなることにより、衣類の繊維刺激や乾燥した風のような些細な刺激でも痒みを感じると考えられています。従って、乾皮症で乾燥した肌は痒みを感じやすく、高齢者では脚の膝から下の部分と背中がもっとも痒くなりやすい部分です。

乾皮症では、痒くなったところを掻くことはタブーです。掻くことによって痒みを感じさせる抹消神経が角質層近くにまで伸張すると言われ、それによって痒みがいっそう強くなります。また、痒い部分をさらに拡大させることになります。そうならないよう、乾皮症で痒みを感じたときは、保湿成分を含む痒み止めの外用薬(ローション・クリームなど)を風呂上りなどに塗っておくのが効果的です。

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■皮膚掻痒症  【自覚症状】 広範囲におよぶ肌の痒み。陰部の皮膚の痒みも。

皮膚掻痒症は、皮膚炎(湿疹)が見られなくても肌の広い範囲に痒みを感じます。高齢者では、乾皮症が原因となっている場合がほとんどですが、比較的に湿潤であるはずの陰部に痒みを感じる場合もあります。

乾皮症で乾燥した肌の症状が顕著になる部分は主に下腿部や背中ですが、高齢者では全身的に発汗量と皮脂の分泌量が減少しますので、乾燥した季節には、腕や胸・腹・脇腹・臀部などにも同様の痒みを感じるようになります。また、乾皮症の局所的な痒みほど強くなくても、あちこちが痒いので引っ掻きやすくなり、それによって乾皮症と同様に痒みがより強く、広範囲に広がるようになります。従って、掻きやすいところには引っ掻き傷や紫斑(あざ)・湿疹を作ってしまいがちです。

皮膚掻痒症が進行すると、子供のアトピー性皮膚炎のように、皮膚の角質が細かく剥離した落屑(らくせつ)が見られるようになります。衛生状態によっては湿疹を悪化させることも珍しくありません。そのような状況に至らないようにするため、まず痒みを感じた初期段階で保湿成分入りの痒み止めなどを使用して乾燥・痒み対策を行いましょう。また、室内を加湿することや、入浴時には体を軽く洗う程度にして皮脂を洗い流さないことにも心掛けましょう。それでも皮膚掻痒症が進行した場合は、皮膚科を受診してください。

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