高齢者の拒食症

高齢者の拒食症

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拒食症は、若年層に多く見られる摂食障害です。その原因としては、若年層に広まった「痩せ願望」から肥満への不安・恐怖に囚われ、それによって偏食や少食になりがちであるという点が強調されます。しかし、日本人の患者数が100万人を越えたうつ病においても、その顕著な症状として食欲の低下とそれによる体重の減少が挙げられていることを忘れることはできません。

一方、高齢者においても、うつ病や認知症の症状として拒食症的な状態が見られます。ただ、それらの場合、病名として「拒食症」と呼ばれることはなく、うつ病や認知症の症状のひとつとして単に「拒食」とか「拒食行動」と呼ばれることが一般的なようです。

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認知症という病名は、本来、外傷を除く後天的な要因で知能が低下する病気全般を意味する病名ですが、一般的には、老化と関係している老人性認知症を指して用いられます。老人性認知症はアルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)と脳血管性認知症の2種類に分類されています。アルツハイマー病は、脳の神経細胞が減少し、大脳皮質などが萎縮する病気です。脳血管性認知症は、主に脳梗塞や脳出血の後遺症として発症するものです。いずれの場合も、脳の萎縮・損傷程度や部位によって症状の現れ方が異なりますが、拒食行動はしばしば見られる共通の症状です。

高齢者の拒食行動では、うつ病よりも認知症の場合がより深刻です。認知症の病状が進行すると、食べ物を認知することもできなくなり、食べる行為さえも忘れてしまいます。特別養護老人ホームの介護現場における成功事例を参考にするなら、拒食行動が見られる認知症の高齢者を介護するときは、本人の嗜好や気持ちを尊重して、その好物であるおかずやデザートを一品付けることや、本人のペースで食べてもらうこと、また、食べてくれたことへの喜びや賞賛の気持ちを、介護に当たる人(家族や介護福祉士)が言葉で表現することなど、本人の自発的な摂食行動を促す配慮や工夫が大切と思われます。

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