高齢者の便秘から考えられる病気
高齢者の便秘から考えられる病気
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便秘は、性別を問わず高齢者に多く見られる便通異常です。それは、加齢や運動不足によって腹筋の力が弱くなるため、腸への物理的刺激が不足して蠕動運動(内容物を移動させる腸の動き)も弱まり、内容物が大腸に長くとどまって必要以上に水分が吸収されることから起こると考えられています。このような便秘は、高齢者の便秘の大部分を占めていると思われますが、けっして何らかの病気に起因する便秘ではありません。以下では、自覚症状のひとつとして便秘になりやすい病気について紹介します。
■甲状腺機能低下症 【自覚症状】脱力感、声のかすれ、まぶたや顔の腫れなど。また、便秘、食欲不振、体重減少、関節痛、筋肉痛なども。
以上の自覚症状(特に後半部分)は、高齢者の症状です。他の年代の患者では異なる症状が見られます。また、高齢者の患者に上記の症状がかならず現れるわけではありません。
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌量が減少する病気です。甲状腺ホルモンが不足すると全身の組織の新陳代謝が緩慢となり、患者の外見や動作・行動にその影響が現れ、体調にも各種の異常を来たすことになります。高齢者に比較的多く発症する病気ですので、異常を感じたときはかかりつけの医師に相談し、専門医の診察を受けましょう。
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■大腸がん 【自覚症状】早期がんのとき、なし。進行がん(早期がんよりも進行したがん)で、便秘、腹痛、腹部膨満感、血便。また、貧血、体重減少なども。
大腸がんは、小腸の末端の回腸がつながる盲腸から、結腸を巡って直腸まで続く腸管内に発生したがんのことです。その発生部位によって盲腸がん、結腸がん、直腸がんとも呼ばれます。
大腸がんは高齢者に多いがんと言われますが、それは、一般的に進行速度が遅いためです。働き盛りの50代で発生して、60代から70代に至ってようやく発見されるというケースが少なくありません。
自覚症状は、早期がん(ステージⅠ)の段階ではまったくありません。進行がん(ステージⅡ以降)の段階になって初めて何らかの異常を感じるかもしれません。ただし、上記の自覚症状を感じるのは、通常、ある程度進行した段階ではないかと思われます。
大腸がんも早期がんのときに発見できれば、リンパ節への転移がない限り、内視鏡治療で比較的容易に完治させることができます。早期がん発見のために、がん検診や人間ドックを利用しましょう。
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