高齢者のめまい・ふらつきから考えられる病気

高齢者のめまい・ふらつきから考えられる病気

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めまいは、回転性めまいと浮動性(非回転性)めまいの2種類に大別でき、それぞれ原因となる病気が異なります。
まず、回転性めまいは、自分自身や周囲の光景がぐるぐると回転するような感覚に襲われるめまいです。激しい場合には吐き気や嘔吐を伴い、立っていることもできなくなります。原因は、耳のもっとも奥深い部分である内耳の器官(三半規管、前庭など)に発生した障害であり、高齢者でその障害を引き起こす代表的な病気としては次のものが挙げられます。

■突発性難聴 【自覚症状】突然発症して継続する難聴。約半数の患者で発症時に強い回転性めまい。また、発症時の前後に耳鳴り・耳閉感を感じることも。

50代から60代にもっとも多く発症し、前駆症状がほとんどなく、突然難聴になります。強い回転性めまいが起こるのは、発症の瞬間一度だけです。めまいが繰り返し起こるときは、別の病気が疑われます。原因は解明されていませんが、現在のところウイルス感染説が有力であり、病院(耳鼻科)での治療ではステロイド剤が第一に使用されます。また、難聴の程度は様々ですが、発症してからなるべく早く治療を受けることが大切であり、治療が遅れると聴力の回復の可能性は著しく低下します。厚生労働省の特定疾患に指定されている難病です。

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浮動性めまい(非回転性めまい)とは、体がふらつき、よろめくようなめまいのことです。回転性めまいほど強いものではなく、目が回るような感覚もありません。そこで、医師の間ではその状態を「めまい感」あるいは「ふらつき感」といった言葉で表現されます。しかし、継続性が強く、断続的あるいは頻繁に起こることも珍しくないため、「慢性めまい感」などと呼ばれています。高齢者においては、この慢性めまい感を感じる人が多く、その原因となる病気としては次のようなものが考えられます。

■頚椎症(けいついしょう) 【自覚症状】肩凝り、首の凝り、手のしびれ、歩行障害など。

高齢者の頚椎症は、通常、加齢によって頚椎の椎間板(ついかんばん)などが磨耗変形し、その関節部分に炎症を起こす病気です。病院で慢性めまい感を訴える高齢者の大半が肩・首の凝りや痛みを抱えており、その多くに頚椎症が認められます。そのような患者に頚部筋マッサージなどの理学療法を施すと、肩凝りなどとともにめまい感も一時的に改善しますが、翌日以降にまた発症します。慢性めまい感と肩・首の凝りとは密接な関係があり、頚椎症がその根本原因になっている可能性があります。

■不眠症 【自覚症状】不眠(入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害)。

上記の症状のいずれかが1ヶ月以上に渡って続く場合に、不眠症と診断されます。その原因としては、ストレス、生活のリズムの乱れ、生活環境などがまず挙げられますが、その他、うつ病などの精神疾患も有力候補として考えられます。慢性めまい感を訴える高齢者の症例では、睡眠薬または抗うつ剤の投与で熟睡することができ、同時にめまい感も解消されるケースが少なくありません。高齢者の慢性めまい感と睡眠障害・うつ状態との間にも密接な関係があるようです。

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