高齢者の目の疲れから考えられる病気
目のレンズである水晶体は、眼球内にある毛様体という筋肉によって厚みを変え、ピントを調節します。しかし、加齢とともに徐々に弾力性を失い、近くの物に焦点を合わせにくくなっていきます。40代後半から50代にかけて、ほとんどの人が老眼(老視)を意識するようになります。この老眼も、目を疲れやすくするひとつの原因です。文字や映像など近くの対象に無理して焦点を合わせ続けようとすることで目の疲れを感じ、はなはだしい場合には、目の痛み、全身の疲労感、頭痛、肩こり、吐き気などをともなう眼精疲労を発症します。
ただ、老眼という現象は、病変と言うよりも、誰にでも起こる正常な老化現象と言えます。通常は、適正な眼鏡を調製して使用することで、生活に支障を来たすことはありません。ここでは、老眼以外で高齢者の目の疲れの原因となる代表的な病気を紹介します。
■ ドライアイ 【自覚症状】目の疲れ・かすみ、光が眩しい。進行すると目の痛み、視力低下なども。
ドライアイとは、涙の分泌量の減少や成分の変化によって角膜・結膜の上皮が慢性的に乾燥する疾患です。涙は、泣いたとき以外でもつねに一定量が分泌され続け、眼球表面や瞼の内側を被っています。しかし、高齢者では涙腺が加齢によって萎縮することにより、涙の分泌量が減少します。また、マイボーム腺(瞼の縁にある皮脂腺)や結膜の上皮からは、涙の蒸発を抑制する成分を含む分泌物が出ますが、それらも減少します。その結果、上記のようなドライアイの症状が現れ、眼球を損傷する場合もあります。
高齢者のドライアイ対策としては、まず、室内を乾燥させないことです。乾燥した天候の日には、加湿器を使用してください。また、ドライアイに効く目薬を使用することも効果的ですが、多用すると角膜上皮を傷める可能性のある防腐剤成分を含んだ目薬は避けてください。
続きを読む