高齢者の血痰・喀血から考えられる病気




高齢者の血痰・喀血から考えられる病気


血痰(けったん)は血液の混ざった痰、喀血(かっけつ)は咳き込んだときに血液を吐き出すことです。どちらも呼吸器系疾患の症状として現れます。高齢者において血痰や喀血の症状が見られる代表的な病気を紹介します。


■ 肺結核   【自覚症状】37℃前後の微熱、咳、痰、倦怠感、食欲不振、寝汗など。病状が進行すると、血痰、鮮紅色の喀血、息切れ、体重減少なども。

肺結核は、結核菌の空気感染によって肺に病巣が形成され、肺の機能が奪われる致死性の感染症です。日本では、一時期、肺結核は過去の病気と見られていましたが、2010年には23,000人以上が発症し、年齢別では高齢者の罹患率が際立って高くなっています。感染力が強く、大変危険な病気であるため、現在は「感染症予防法」によって患者の結核病棟への入院が義務づけられています。発病当初の病状は風邪に似ていますが、市販薬を服用しても改善が見られず、2週間以上にわたって微熱、咳、痰が続く場合は、内科または呼吸器科を受診してください。咳き込んだときに血液を吐き出す喀血が見られたときにはすでに相当進行しており、治療が長引くことになります。

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(C) 2017 よくある高齢者の病気(症状別)