■ 肺癌 【自覚症状】慢性の咳。咳とともに血痰、または喀血。食欲不振、体重減少、疲労感、脱力感、胸痛、息切れなども。
肺癌の原因としてもっとも多いのは喫煙です。患者の約85パーセントは喫煙が原因と言われています。喫煙者の肺癌は、一般に吸い込んだたばこの煙に含まれる発癌性物質が気管支や肺の肺胞(ガス交換を行う小さな半球状の袋)の中に付着し、その上皮に癌を発生します。このように肺の内部の上皮に発生する原発性肺癌は、非喫煙者であっても他人の喫煙による副流煙や大気汚染物質、化学物質などの発癌性物質によっても発生する場合があります。また、他の臓器に発生した癌が進行すると、よく肺に転移して肺癌を発症します。そのため、肺癌はすべての癌の中でもっとも死亡者数の多い癌となっています。
肺癌の治療法には、癌組織を切除する外科手術、抗癌剤を投与する化学療法、癌細胞だけを攻撃する抗癌剤や抗体を投与する標的療法、放射線で癌細胞を破壊する放射線療法があります。上記のような自覚症状が見られたときは、肺癌がある程度進行している場合が多く、これらの治療法を組み合わせて治療することになります。しかし、定期的な癌検診によって自覚症状のない早期の段階で発見できた場合は、体への負担がもっとも小さい治療法を選択して治癒させることも可能です。