高齢者の味覚異常から考えられる病気
人間が感じる味覚には甘味・酸味・塩味・苦味・旨味の五基本味があり、舌の表面からのどの奥かけて分布している感覚器官の味蕾(みらい)によってそれぞれの強さを感じ取ります。その情報は嗅覚・視覚の情報とともに大脳に伝えられ、風味として認識されます。ちなみに、甘味は舌の前方部分で感じるといった舌の「味覚分布地図」の学説は、現在では否定されています。味蕾の機能は口中のどこにあっても同じであることが判明しています。
味蕾は唾液に溶けた味の成分も感知しているため、高齢者では唾液の分泌量が減少することと、加齢によって味蕾の数が減少することにより、味の感じ方が変化すると言われています。また、高齢者は病院で薬剤の投与を受ける機会が増えますが、高血圧の薬をはじめとして多くの医薬品に味覚障害を起こす成分が含まれています。ここでは、以上のような味覚障害の例を除外して、高齢者に発症しやすい味覚障害の原因疾患を紹介します。
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