高齢者の味覚異常から考えられる病気 -2




■口腔カンジダ症  【自覚症状】 白苔(舌全体に付着する白い苔状の細かなかたまり)、または、舌・頬粘膜の発赤。味覚の変化、苦味を感じる。

口の中の常在菌であるカンジダの日和見感染症(体調悪化や免疫力低下で発症する感染症)です。白苔(はくたい)の場合は拭うと簡単に取れますが、舌・頬粘膜の発赤の場合は飲食時にヒリヒリとした痛みを感じます。どちらも味覚に悪影響を及ぼします。唾液には殺菌・抗菌作用があり、その分泌量が減少する高齢者に発症しやすい感染症です。治療は、抗真菌薬のうがい薬や塗り薬・内服薬で行います。歯科または内科を受診してください。

■亜鉛欠乏症(低亜鉛症)  【自覚症状】 味覚の変化、味を感じにくくなる、苦味を感じるなど。下痢を起こすことも。

亜鉛は必須ミネラルのひとつですが、普通に食事をしていれば、厚生労働省の推奨する一日摂取量を確保できるはずです。しかし、亜鉛含有量の少ない偏った食事や亜鉛の吸収を妨げる食物繊維の摂り過ぎ、医薬品の副作用、腎臓疾患などによって不足した場合は、亜鉛欠乏症となります。その症状は、主に細胞分裂の活発な器官への悪影響によって現れます。味覚に関しては、亜鉛の欠乏により味蕾の数が減少し、上記のような味覚障害を引き起こします。肝臓・生殖器・甲状腺など各種臓器への障害もあり得ますので、異常に気づいたときは内科を受診してください。

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(C) 2017 よくある高齢者の病気(症状別)