高齢者の顔のむくみから考えられる病気
■甲状腺機能低下症
【自覚症状】 徐脈(脈拍数が少ない)、脱力感・倦怠感・眠気、乾燥肌、脱毛、記憶力・計算力の低下、聴力の低下、かすれ声など。進行すると、顔のむくみ・瞼の腫れも。
甲状腺機能低下症は、白血球の一種であるリンパ球による自己免疫疾患です。甲状腺の組織がリンパ球によって障害を受け、甲状腺ホルモンの分泌量が減少します。甲状腺ホルモンは、全身の細胞に作用して新陳代謝を促進させる機能があり、それが減少すると細胞の代謝は緩慢となり、臓器の働きも緩慢になります。脈拍が遅くなるのも、そのためです。
心臓以外の器官の代謝速度も遅くなり、さらに酸素や栄養を運ぶ血液の還流量が減少することも影響して、上記のようなさまざまな症状が現れてきます。特に顔のむくみは、皮下組織に粘液状の物質が沈着することで、よりはっきりとしてきます。また、顔だけでなく、四肢全体と手のひら・足の裏にまでむくみが現れます。
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