高齢者の顔のむくみから考えられる病気 -2




甲状腺機能低下症の病状の変化は、大変緩慢です。自己免疫による甲状腺の炎症はゆっくりと進行し、甲状腺全体に広がるまでに何年もかかります。その間、炎症を起こした組織のホルモン分泌の機能を健全な組織が補完するため、症状の現れ方は緩慢です。しかも、症状の多くは他の疾患でも高齢者によく見られるものであり、また、単なる老化現象と勘違いして、発病に気づかないことが多いようです。しかし、放置しておくと、重度の貧血や危険な低体温症心不全を引き起こす危険な病気です。

甲状腺機能低下症はあらゆる年齢層で発症しますが、高齢者の罹患率が高い病気です。高齢者全体の10パーセント以上に甲状腺機能低下症の疑いがあると言われています。特に女性患者が多く、高齢者の女性の罹患率は男性の約2倍に上ります。この病気の診断は、1種類の血液検査で確定することができますので、1年に1度くらい、専門医の診察を受けた方が良いでしょう。甲状腺機能低下症と診断された場合、甲状腺ホルモンの投与による治療を受けることになり、この治療は生涯にわたって受け続けなければなりません。気になる人は、内科の専門医を受診してください。

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(C) 2017 よくある高齢者の病気(症状別)