高齢者の黄疸から考えられる病気




高齢者の黄疸から考えられる病気

高齢者に見られる黄疸は、肝臓・胆嚢の疾患によって黄色い胆汁色素ビリルビンの血中濃度が高くなり、眼球や皮膚の組織がビリルビンの沈着で黄色く染まる症状です。以下に、その原因となる病気を紹介します。

■総胆管結石症  【自覚症状】 みぞおち・右脇腹の痛み、黄疸、吐き気・嘔吐。発熱や尿が茶色に変色することも。

胆汁には脂肪の消化吸収を助ける働きがあります。肝臓で生成されて半分程度の量がそのまま十二指腸に流れ出し、残りが胆嚢に蓄えられます。胆嚢に入った胆汁は約90%の水分が吸収されて濃縮され、食事をしたときに肝臓からの胆汁といっしょに総胆管という管を通って十二指腸に流れ出します。この高濃度の胆汁の成分が胆嚢や総胆管で結晶化し、胆石という石状の塊を作ることがあります。

総胆管結石は、総胆管で生成された胆石のことです。それによって総胆管の胆汁の流れが阻害され、上記のような症状の障害を発症します。ただ、胆石があればかならず発症するわけではありません。治療を受けても胆石がすべて除去されることは珍しく、症状が出ない限り、特に治療を行わずに経過観察します。しかし、症状が現れた場合は、次に紹介する危険な感染症を発症することがありますので、かならず内科または消化器科を受診してください。

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(C) 2017 よくある高齢者の病気(症状別)