高齢者に多い肌が痒くなる病気




高齢者に多い肌が痒くなる病気

■乾皮症  【自覚症状】 下腿(膝からくるぶしまで)・足の甲・背中などの肌の乾燥。乾燥した肌の局所的な痒み。

乾皮症とは、一般に乾燥肌ドライスキンと呼ばれる肌の状態のことです。高齢者では、男性ホルモンのアンドロゲンが減少することによって皮膚に分布している皮脂腺の機能が低下し、皮脂の分泌量が減ります。皮脂は皮膚を保護するバリヤーですが、その分泌が減ることで表面の角質層から水分が蒸発しやすくなり、肌が乾燥します。

乾燥した肌は、表面の角質層が細かくひび割れた状態となって、外界からのさまざまな刺激を受けやすくなることにより、衣類の繊維刺激や乾燥した風のような些細な刺激でも痒みを感じると考えられています。従って、乾皮症で乾燥した肌は痒みを感じやすく、高齢者では脚の膝から下の部分と背中がもっとも痒くなりやすい部分です。

乾皮症では、痒くなったところを掻くことはタブーです。掻くことによって痒みを感じさせる抹消神経が角質層近くにまで伸張すると言われ、それによって痒みがいっそう強くなります。また、痒い部分をさらに拡大させることになります。そうならないよう、乾皮症で痒みを感じたときは、保湿成分を含む痒み止めの外用薬(ローション・クリームなど)を風呂上りなどに塗っておくのが効果的です。

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(C) 2017 よくある高齢者の病気(症状別)