高齢者に多い肌が痒くなる病気 -2




■皮膚掻痒症  【自覚症状】 広範囲におよぶ肌の痒み。陰部の皮膚の痒みも。

皮膚掻痒症は、皮膚炎(湿疹)が見られなくても肌の広い範囲に痒みを感じます。高齢者では、乾皮症が原因となっている場合がほとんどですが、比較的に湿潤であるはずの陰部に痒みを感じる場合もあります。

乾皮症で乾燥した肌の症状が顕著になる部分は主に下腿部や背中ですが、高齢者では全身的に発汗量と皮脂の分泌量が減少しますので、乾燥した季節には、腕や胸・腹・脇腹・臀部などにも同様の痒みを感じるようになります。また、乾皮症の局所的な痒みほど強くなくても、あちこちが痒いので引っ掻きやすくなり、それによって乾皮症と同様に痒みがより強く、広範囲に広がるようになります。従って、掻きやすいところには引っ掻き傷や紫斑(あざ)・湿疹を作ってしまいがちです。

皮膚掻痒症が進行すると、子供のアトピー性皮膚炎のように、皮膚の角質が細かく剥離した落屑(らくせつ)が見られるようになります。衛生状態によっては湿疹を悪化させることも珍しくありません。そのような状況に至らないようにするため、まず痒みを感じた初期段階で保湿成分入りの痒み止めなどを使用して乾燥・痒み対策を行いましょう。また、室内を加湿することや、入浴時には体を軽く洗う程度にして皮脂を洗い流さないことにも心掛けましょう。それでも皮膚掻痒症が進行した場合は、皮膚科を受診してください。

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(C) 2017 よくある高齢者の病気(症状別)