高齢者の痰がからむ原因と対処法
痰は、気管支から分泌される気管粘液であり、気管支と気管の内側にある繊毛細胞によって気管末端の喉頭にまで運搬されます。その中には、吸気によって気管や気管支に進入したウイルス・細菌・粉塵などが含まれています。気道が正常な状態であれば、痰はそのまま喉頭から食道に入り、唾液に流されて胃へと運ばれ消化されます。しかし、気道に何らかの異常が起きている場合は、気管の末端で複雑な構造をしている喉頭蓋の周辺に痰が付着した状態となります。これが、いわゆる「痰がからむ」という現象です。
高齢者の痰がからむ主な原因には、以下のものがあります。
のどの乾燥
冬の乾燥した冷気や就寝中の口呼吸などによって喉頭・喉頭蓋の周辺が乾燥すると、痰を食道へスムーズに排出することができなくなり、痰がからんだ状態になります。ただし、通常は軽い咳で痰を切ることができます。
喫煙・汚れた空気
喫煙はタバコの煙の粒子が気管や気管支に充満するため、その粒子を排出するために確実に痰の量が増えます。量が多いためにスムーズに排出し切れず、喫煙者はよく咳や咳払いをします。また、幹線道路沿いなど排気ガスの濃度が高い場所で生活している人も同様です。
呼吸器系疾患
呼吸器系疾患の中でも、以下のようなゴホンゴホンといった湿った咳の出る病気で痰が出ます。ほとんどが組織の炎症によって生成された痰です。病気によっては、黄色などの色付きの痰や血の混ざった血痰などもあります。
肺がん(血痰) インフルエンザ 風邪 急性・慢性気管支炎 肺炎
気管支喘息 肺結核(痰が出ない場合や血痰の場合も) 肺気腫 など
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