寝たきり原因の実態
「寝たきり」という言葉の公的な定義はないようですが、ここでは、介護認定で立ち上がりにも介助が必要とされる「要介護2」から、いわゆる植物人間状態(遷延性意識障害)を含む「要介護5」までに対して使用します。
厚生労働省の「平成22年国民生活基礎調査」によると、介護が必要となった主な原因の構成割合(要支援・要介護全体、男女合計)は以下の通りです。
脳血管疾患(脳卒中) 21.5%(男性32.9%、女性15.9%)
認知症 15.3%
高齢による衰弱 13.7%
関節疾患 10.9%(男性4.3%、女性14.1%)
骨折・転倒 10.2%
この統計には、高齢者(65歳以上)だけでなく、40歳〜64歳の要介護者・要支援者の数も含まれています。ただし、40歳〜64歳の人数は全体の4.5%に過ぎませんので、高齢者における寝たきり原因の割合をほぼ正確に表していると言えるでしょう。また、その他の原因としては、心臓病(3.9%)、パーキンソン病(3.2%)、糖尿病(3.0%)、呼吸器疾患(2.8%)、がん(2.3%)、視覚聴覚障害(2.1%)、脊髄損傷(1.8%)が挙がっています。
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