風邪をひきやすい高齢者
高齢者は、一般的な傾向として、風邪をひきやすいと言われます。しかも、いったん風邪をひくと治りにくく、重症化や肺炎などの二次感染の危険性も高いと言われています。これには、はっきりとした理由があります。それは、加齢による免疫機能の低下です。
■ 誰にでも起こる免疫機能の低下
ウイルス・細菌などの病原体に対して抵抗力を生み出す免疫機能は、体内で生産される免疫細胞に依存しています。しかし、その免疫細胞を生産する重要な臓器の胸腺や脾臓は、中高年になると衰えが進み、60代では若い頃の半分程度の大きさにまで萎縮してしまいます。そのため、免疫細胞の生産能力も落ち、免疫機能が弱体化します。また、高齢者には糖尿病や心臓・肺・腎臓の慢性疾患を基礎疾患(持病)として抱えている人が多く、これらの基礎疾患も免疫機能低下の要因となっています。
■ 風邪の初期症状に注意
「風邪は万病のもと」という古い諺がありますが、高齢者の人は、風邪が本当に危険な病気であるという認識を持ち、風邪を甘く見ないように心掛けましょう。特に、咳・鼻水・発熱など本来の風邪らしい症状が高齢者の風邪では現れにくい場合があり、何となく具合が悪い、食欲がないなどと思っているうちに重症化し、肺炎を併発するという危険性さえあります。風邪のひき始めには、十分に注意しましょう。
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