高齢者の胃痛から考えられる病気




高齢者の胃痛から考えられる病気

■慢性胃炎 【自覚症状】胃痛。

胃壁が炎症を起こす慢性疾患です。原因としては、かつてはアルコールやストレスが最大の要因と考えられてきましたが、現在ではピロリ菌の感染が最も有力視されています。ピロリ菌は胃粘膜に感染すると胃酸の中でも生存することができ、通常、胃の末端の幽門付近から炎症を起こし、加齢とともに胃粘膜全体に感染が拡大します。自然治癒の可能性は低く、内科・消化器科などでの診察と治療が必要です。

■胃潰瘍(いかいよう) 【自覚症状】胃痛。胸焼け、膨満感なども。

胃潰瘍は、強力な胃酸とタンパク質分解酵素を含む胃液によって胃壁が損傷を受ける病気です。胃壁の内側の胃粘膜は、通常は胃粘液で保護されているため、胃液で損傷を受けることがありません。しかし、何らかの原因によってその保護機能が低下したとき、胃液によって胃潰瘍が発生します。保護機能低下の原因としては、ストレスのほか、飲酒・喫煙・コーヒー・塩分・ピロリ菌なども候補に挙げられています。軽度の胃潰瘍は自然治癒しますが、重症化すると胃壁に穴を開け、腹膜にまで損傷を与えます。腹痛が頻繁に起こる場合や継続するときは、内科・消化器科などでの診察と治療が必要です。

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(C) 2017 よくある高齢者の病気(症状別)