高齢者がお風呂に入りたがらない理由
●年を取ると入浴が面倒になる
1960年代か70年代頃まで、平均的な日本人の入浴は週3回程度というのが一般的だったと思います。しかも、その頃は町内に銭湯がかならず1軒はあり、内風呂がある人でもよく銭湯を利用したものです。しかし、その頃から内風呂が急速に普及してゆき、いつの間にか家庭での入浴やシャワーが毎日の日課になりました。
こうして入浴習慣を定着させた勤労世代は、どんなに夜遅く疲れて帰っても、ひと風呂浴びてからベッドに入るか、朝すっきりするためにシャワーを使うことが当たり前になりました。朝の通勤電車や職場・取引先などで恥ずかしい思いをしたくないからです。この習慣を身につけた世代は、60歳や70歳になっても、現役でいる限りは毎日の入浴を欠かさないでしょう。
しかし、リタイアして毎日通勤する必要がなくなると、入浴がおっくうに感じられるかもしれません。いつもすっきりと身綺麗にしておく必要がなくなるからです。必要性を余り感じなくなると、体や頭を洗うことは気持ちいいと思えても、髪の毛を乾かして整えることなどは面倒なことに思えてきそうです。健康な人でも、このような理由から入浴をサボるようになるのでしょう。
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