高齢者の下血から考えられる病気 -2




■ 直腸癌   【自覚症状】血液の付着した血便。便秘、腹部の膨満感や便が細くなることも。

直腸癌は、大腸癌の中で直腸に発生したものを指し、日本人では大腸癌全体の約 4 割に達しています。大腸癌の大半を占める結腸癌血便は、患部からの出血が便に混ざって消化された黒色便になりますが、大腸の末端で発生する直腸癌では、血液が便の表面に付着した状態となり、素人目にも血便であることが分かります。

直腸癌を含む大腸癌の確実な原因はまだ判明していませんが、最大の危険因子としては、食生活における動物性脂肪の摂取量の増加が考えられています。そのため、欧米の公的な研究機関などは、畜産肉・加工肉の摂取を制限し、鶏肉・魚肉を多く食べるように推奨しています。また、大腸癌の予防因子として、DHA、EPAなどの不飽和脂肪酸や、発癌性物質を吸着する食物繊維、危険因子と見られている活性酸素の腸内での発生を抑えるβ-カロテンなどを多く含む食材の摂取も推奨しています。

直腸癌患者は、60歳代から70歳代の後期癌で発見されるケースがもっとも多くなっています。これは、集団検診である大腸癌検診では便潜血検査が行われますが、早期癌で便潜血反応が現れるケースは少なく、進行しても発見されない場合があるためです。また、病院によっては、血便が見られても前述の痔核と誤診される可能性もあります。血便をはじめとした上記の自覚症状が見られるときは、ぜひ肛門科と大腸疾患の専門外来がある病院を受診してください。

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(C) 2017 よくある高齢者の病気(症状別)