高齢者の目がかすむ病気
高齢者における目がかすむの病気の代表的なものは、加齢性白内障と糖尿病網膜症です。加齢性白内障については、「高齢者が明るい場所で眩しく感じる病気」で詳しく説明していますので、そちらをご覧ください。ここでは、国内における中途失明(誕生以降の障害による失明)の原因疾患の第二位という糖尿病網膜症について説明します。
■ 糖尿病網膜症
【自覚症状】網膜症の初期: 特になし。 中期: 目のかすみ。 末期: 視力低下、飛蚊症、物がぶれて見えるなど。
糖尿病と糖尿病網膜症の関係
糖尿病網膜症は、数ある糖尿病の合併症の中でもっとも発症率の高い病気です。眼球内の網膜には多くの毛細血管が走っていますが、糖尿病で血糖値の高い血液は凝固しやすく、毛細血管を詰まらせたり、それが原因で眼底出血を引き起こしたりします。そのため、網膜が血行不良による酸素・栄養不足に陥り、糖尿病網膜症を発症します。
ただし、糖尿病にかかっても、すぐに糖尿病網膜症を発症するわけではありません。糖尿病の初期から適切な治療を受けて血糖値が適正にコントロールされていれば、糖尿病網膜症を発症することはまずありません。しかし、血糖値の上昇を放置していた場合、数年後には糖尿病網膜症を発症します。
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