高齢者で物がゆがんで見える病気




高齢者で物がゆがんで見える病気

高齢者の眼科患者で物がゆがんで見える症状(変視症)を訴える人が増えています。その原因疾患として近年急激に増加しているのが、加齢黄斑変性という目の病気です。日本を含む先進国における中途失明(誕生以降の障害による失明)の主な原因疾患になっています。


■ 加齢黄斑変性 (-おうはんへんせい)

【自覚症状】変視症(物がゆがんで見える)、中心暗点(見ている物の中央が暗い、または欠けて見えない)、視力低下、色覚異常など。



黄斑は正確に物を見るために欠かせない場所

黄斑は、眼球内で水晶体(レンズ部分)の正反対の位置にある網膜上の直径5〜6mm程度の部分です。黄色いドットのように見えることからこう名付けられました。その中心にある直径わずか約1mmのくぼみが中心窩(ちゅうしんか)と呼ばれ、水晶体から入射した光が像を結ぶところです。

両眼の中心窩には、光の色彩に鋭敏な視細胞(光刺激を電気信号に変換する細胞)が高密度に集中しています。また、視細胞からの信号を視覚中枢に伝える視神経の神経線維も、約50%が中心窩から出ています。人間が物の形や色を正確に認識できるのは、すべて中心窩からの信号に依存していると言っても過言ではありません。

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(C) 2017 よくある高齢者の病気(症状別)