■肺炎 【自覚症状】突然の高熱(38℃台後半以上)、悪寒、頭痛、咳、痰など。
主に肺炎球菌が肺に感染して発症します。上記の自覚症状は肺炎球菌による症状の典型例ですが、高齢者では各種生理機能の低下が原因して、これらの症状がはっきりとは現れない場合もあります。特に、風邪・インフルエンザや悪性腫瘍(がん)など他の病気の治療を受けていて肺炎を発症し、その症状が顕著でなかった場合には、発見が遅れて手遅れになる場合があります。肺炎は国内死亡統計の死亡原因でつねに上位にランクされ、とりわけ65歳以上の高齢者では死亡原因の約90パーセントを占めていますので要注意です。
また、高齢者では食べ物や飲み物を誤って気管に入れてしまうこと(誤嚥・ごえん)にも注意しなければなりません。そのとき、口腔内にあった肺炎球菌が誤嚥した飲食物とともに気道に入り、肺炎を発症することも珍しくありません。その予防として、口腔衛生にも気を付けなければなりません。