高齢者の視界に糸くずや蚊のようなものが見える現象 -2
■ 飛蚊症
(ひぶんしょう)
【自覚症状】明るいところを見たときに、斑点状・繊維状・虫状などの小さな動く影が見える。瞬きをしたり目をこすったりしても影は消えない。しかし、暗いところでは見えなくなる。
高齢者の飛蚊症のほとんどは加齢が原因
飛蚊症は年齢を問わず発生しますが、高齢者の場合は加齢による
老化現象
として起こるケースがほとんどです。硝子体は、体の他の組織と同様に老化によって変化します。その変化は徐々に進行し、個人差もありますが、硝子体が萎縮すると網膜との間に隙間(
硝子体剥離
)が生じます。また、硝子体の性質もゲル(ゼリー状)から液体へと変化し、それらが屈折光に影響して飛蚊症を起こします。
この老化現象としての飛蚊症は、自然な
生理的現象
です。飛蚊症自体が失明などにつながることはありませんので、特に心配する必要はありません。ただし、病気が原因で発生する場合もありますので、飛蚊症が気になったら
眼科医
の診察を受けましょう。
高齢者の飛蚊症は症状の急変に注意
硝子体の萎縮や液状化によって起こる硝子体剥離は、時として
網膜剥離
や網膜に穴が開く
網膜裂孔
という病気を引き起こします。その場合、飛蚊症の現れ方が頻繁になったり、現れる影の数が急に多くなったりします。このような症状の急変があったときは、放置しておくと失明する危険性もありますので、ただちに
眼科
を受診してください。
また、
糖尿病
や
高血圧
の人は、
眼底出血
によって飛蚊症を引き起こす場合があります。突然強度の飛蚊症が発生した場合や視界が赤く変化したときは、かならず
眼科
を受診してください。
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(C) 2017 よくある高齢者の病気(症状別)