高齢者の夜間頻尿から考えられる病気 -2




■急性膀胱炎  【自覚症状】 頻尿(夜間頻尿も)、排尿時痛・排尿後痛(排尿中や排尿直後の尿道の痛み)、尿の濁り。下腹部(恥骨の上)の痛み、残尿感、尿失禁、血尿などを伴うことも。

膀胱に大腸菌などの細菌が感染して炎症を起こします。女性は体の構造上、尿道からの感染を起こしやすいため、女性に多い病気です。治療では抗菌薬を服用し、通常は3日間ないし7日間で治癒します。上記のような症状、特に尿の濁りに気づいたときは、泌尿器科をすぐに受診してください。

■慢性腎不全  【自覚症状】 夜間頻尿。進行すると、疲労感、全身的な脱力感、注意力の低下、食欲不振、息切れなど。

慢性腎不全は、血液から老廃物を取り除く腎臓の濾過機能が、数ヶ月から数年をかけて徐々に弱っていく病気です。原因は、糖尿病がもっとも多く、次が高血圧です。これらの病気によって腎臓の毛細血管が損傷を受けることで発症します。また、急性腎不全で治療を受けても腎機能が回復しなかった場合にも、慢性腎不全に移行します。

夜間頻尿はもっとも初期の症状です。放置しておくと確実に腎臓の濾過機能は低下し、老廃物の血中濃度が上昇して、上記のその他の症状が現れてきます。さらに進行すると、危険な合併症を併発し、透析を行っても心臓や循環器系の病気や感染症で死に至ります。慢性腎不全は回復不可能な病気ですが、初期の段階で適切な検査を受け、原因疾患や悪影響のある疾患の治療と腎不全に対する食事・化学療法を行えば、進行を抑制することができます。糖尿病患者や高血圧の人で夜間頻尿がある場合は、泌尿器科を受診してください。

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(C) 2017 よくある高齢者の病気(症状別)