■多発性骨髄腫 【症状】貧血、倦怠感、背中・腰の骨(肋骨・脊椎など)の痛みなど。
多発性骨髄腫は、骨髄のがんです。骨髄中にある形質細胞(抗体を生み出すリンパ球の一種)が腫瘍化して異常増殖し、骨髄を侵食していきます。同時に、本来は骨の新陳代謝のために骨を破壊・吸収する役目である破骨細胞にも影響を与え、骨の内部を空洞化していきます。そのため、骨髄の造血幹細胞が減少して貧血となり、侵された骨が痛みます。また、侵された骨は比較的に弱い力でも骨折(病的骨折)を起こしやすいため、気づかないうちに骨折している場合もあります。
50代以上の中高年に発症しやすい病気です。治療は主に化学療法によって行われ、特に65歳以上の高齢者では、体への負担の少ない化学療法が選択されます。また、治療中でも症状が安定している場合は、骨折に気をつけながら普通の日常生活を送ることができます。病気の進行が大変遅く、初期段階で異常を感じることはまずありませんが、異常に気づいたときは内科を受診してください。