■急性胃炎 【自覚症状】腹痛、吐き気、嘔吐。
胃粘膜が炎症を起こす急性疾患です。原因は、ストレス、過度の飲酒、ピロリ菌感染など。消化の良いものを食べ、過度の飲食を避けて安静にしていれば、通常は数日で治まります。症状を抑える対症療法として市販の胃腸薬を使用するのも結構ですが、内科や消化器科で診察・治療を受けた方がより確実です。その際、検査によってピロリ菌の胃部感染が確認された場合は、薬剤を使ったピロリ菌の除菌療法を受けておくと、危険な消化器系疾患の予防にもつながりますので安心です。
■腸閉塞(イレウス) 【自覚症状】激しい腹痛、嘔吐、腹部膨満感、排便・排ガスがなくなるなど。
小腸・大腸で内容物が詰まった状態になる疾患です。腹部の疾患で開腹手術を受けた後には、腸同士や腸と腹壁の癒着がよく起こり、それによる腸の折れ曲がりやねじれが生じて閉塞することが珍しくありません。通常の生活の中でも、腸の病気や便秘症による硬い便が原因で閉塞を起こす可能性があります。
腸閉塞は、通常、突然の激しい腹痛や嘔吐から始まります。最初は胃の内容物や胃液、十二指腸付近からの胆汁の混ざった液体を嘔吐し、さらに放置しておくと小腸・大腸の内容物まで逆流して嘔吐します。自然治癒の可能性はまずありませんし、早めの治療が肝要ですので、救急車を使ってでも設備の整った病院での治療を受けてください。