■ 流行性角結膜炎の目やに
ウイルス性結膜炎の代表的な疾患です。結膜炎と角膜炎を同時に発症し、症状が激しい上に感染力が非常に強いため、学校の生徒が発症すると登校禁止となる学校感染症に指定されています。目やには白色をしており、結膜が充血して発症した直後から出始めます。夜間、睡眠中にも大量に出て、翌朝、目が覚めても固まった目やにで目が開けられない状態になります。目やにで固まった目を開けるためには、お湯を浸したタオルで丁寧に目やにを拭い落とさなければなりません。しかも、多くの場合、両目に発症します。
病原体のウイルスを無力化する薬剤はありませんが、消炎効果のあるステロイド剤や細菌の二次感染を予防する抗菌剤などを適正に使用することにより、症状は2週間程度で治まります。しかし、角膜が損傷した場合は、その回復に数ヶ月を要する場合もあります。また、眼科を受診する際には、受付から精算まで厳重な感染対策がなされ、自宅でも家族が感染しないように、タオルや洗濯物を家族とは別にし、入浴時の湯船のお湯も捨てるといった対策をとらなければなりません。自己判断で安全に完治できるような病気ではありませんので、直ちに眼科での治療を受け、医師の指示に従いましょう。