高齢者の脱毛から考えられる病気(30代、40代、50代、60代、70代、80代、90代以降) -2
■慢性甲状腺炎(橋本病)
【自覚症状】体重増加、倦怠感、脈拍数の増加、便秘、
抜け毛の増加
など。
中高年の女性に多く見られる自己免疫疾患です。
のどにある甲状腺全体が免疫細胞によって徐々に破壊されます。ただし、この病気の進行は非常に緩慢で、上記症状の現れ方も穏やかであるため、患者自身が異常に気づくことは多くありません。また、病気の進行とともに甲状腺の腫れや硬化が現れてきますが、その程度も比較的に小さいため、のどに触れてもほとんど気づかず、飲食で飲み込むときに違和感を覚えることもまずありません。
このような穏やかな病状の進行は、甲状腺の細胞破壊が進行していても、その大切な機能である甲状腺ホルモンの分泌が比較的正常に維持されるためです。しかし、
加齢とともにさらに進行すると、甲状腺ホルモンの分泌量が遂に低下し、
甲状腺機能低下症
へと移行します。甲状腺機能低下症は、強い倦怠感をはじめとして、生活に支障を来たす全身の異常や機能障害が現れてきます。
なお、慢性甲状腺炎と診断されても、この病気に対する治療は特に行われず、問診や各種検査で経過を観察します。甲状腺機能低下症と診断されて初めて、甲状腺ホルモン剤の投与が行われます。
トップページ
(C) 2017 よくある高齢者の病気(症状別)