風邪の症状が長引くもうひとつの原因として、急性気管支炎や肺炎を併発することが考えられます。風邪に限らず、高齢者の呼吸器系疾患は合併症を併発するケースが多いという特徴があります。これは、急性疾患を発症することで一時的に免疫機能がさらに低下するためです。また、糖尿病や心臓病などの基礎疾患を持っている人は、その傾向がさらに強くなります。それでも、急性気管支炎の場合は、症状が風邪よりも重いとは言え、適切な治療を受けるとことで風邪と同様に確実に快癒します。しかし、肺炎の二次感染は大変危険です。
肺炎の典型的な自覚症状は、激しい咳、痰、38℃以上の高熱ですが、高齢者の場合は風邪と同様にこれらの自覚症状が表れない場合があります。そのため、治療が遅れて重症化する危険性が高い病気です。現在、肺炎は日本人の死亡原因の上位を占め、死者のほとんどが65歳以上の高齢者です。風邪くらいで医者にかかる必要はないと高をくくらずに、長引いたときは躊躇せずに医師の診察を受けましょう。