■嘔吐物で気管が詰まったときの対処法
高齢者が嘔吐した物を気管に入れてしまったときは、通常、激しくむせます。むせることで普通は嘔吐物が吐き出されます。それでも、しばらくはのどがすっきりせず、むせる状態が続くかもしれません。そのときは、背中をさするなどして落ち着かせましょう。
むせても嘔吐物が吐き出されなかった場合や、むせずに急にのどを押さえたり掻きむしるような動作をした場合は、嘔吐物がまだ気管内に詰まっています。そのときは、次の方法で嘔吐物を吐き出させてください。
†腹部突き上げ法
患者を背後から抱きすくめるようにし、片手を握りこぶしにしてへその上辺りに押し当て、もう一方の手をこぶしの上にそえて、両手で勢いよく突き上げるようにします。これは、腹部を急激に圧迫することで、肺の中の空気を一気に吐き出させ、呼気の勢いで詰まった物を吐き出させる方法です。
†背部叩打法(はいぶこうだほう)
患者の背後から、左右の肩甲骨の中間辺りを、手の平の根元部分で強く叩きます。患者が詰まった物を吐き出すまで何度も叩きます。
なお、これらの方法で嘔吐物を吐き出させたときは、内臓等に損傷を与える可能性もあります。医師の診断を受けるとき、使用した方法を医師に説明してください。