■胆石症 【自覚症状】右上腹部(みぞおちから右脇腹にかけて)の痛み、吐き気・嘔吐。背中の痛みや発熱を伴うことも。
胆石は、肝臓で生成された胆汁(脂肪の消化吸収を助ける胆汁酸を含む)の成分が凝固した結石の一種です。肝臓からの胆汁を溜めておく胆嚢内にできたものを胆嚢結石、胆嚢からその胆汁を十二指腸内に分泌するための胆管内にできたものを胆管結石といいます。胆石症は、胆石が胆汁の流れを滞らせ、その上で胆管から胆嚢に細菌が侵入し感染することによって発症します。
胆嚢結石は、胆石症を発症すると右上腹部や背中に強い差し込みを感じます。また、進行すると急性胆嚢炎を併発し、高熱の出る場合があります。ただし、このような胆石症の症状が出ず、胆石に気付かない人の方がむしろ一般的です。
一方、胆管結石の場合はほとんどの人が胆石症を発症し、みぞおち部分の痛みや発熱があり、目や肌が黄色くなる黄疸症状も現れます。また、各種の合併症を併発すると危険な状態に陥ります。特に高齢者は、腹痛を感じる前に急激な高発熱が起こり、意識障害やショック状態となって死に至る危険性がありますので要注意です。胆管結石と見られる症状の場合は、内科・消化器科などでの早急な診察と治療が必要です。