高齢者の視力低下から考えられる病気 -2




■加齢黄斑変性 【自覚症状】視野の中心部が歪んで見える(変視症)。進行すると、その歪んだ中心に暗く見えない部分(中心暗点)が現れる。同時に、視力低下が進行する。また、色覚異常も現れてくる。

黄斑(おうはん)とは、光を感知する網膜の中心部にあって、直径1.5〜2mmの小さく窪んだ黄色の斑紋です。この部分は周辺の網膜よりも高精細な光センサーであり、見ようとするもの、見えるものの形・色を明瞭に感知することができる重要な組織です。加齢黄斑変性は、網膜の下の組織に加齢とともに老廃物が蓄積することによって引き起こされる一部組織の萎縮や、異常な血管が派生して液体が組織内に溜まることなどが原因です。進行すると著しい視力低下を来たし、失明の危険性もありますので、初期の変視症を感じた時点で直ちに眼科を受診してください。

■網膜静脈閉塞 【自覚症状】急激に視力が低下し、視野の一部がかすむ(視野障害)。視野の中心部が歪んで見えることも(変視症)。

網膜の下には血管(網膜動脈と網膜静脈)が枝状に広がっていますが、その静脈が高血圧によって破損し出血します。また、動脈硬化によって硬くなった動脈が静脈を圧迫し、静脈の血流が停滞した場合、高血圧でなくても、その静脈の上流に当たる末梢部分から出血します。自然治癒するケースが少なくないため、眼科を受診しても特に治療を行わずに経過観察する場合もあります。しかし、合併症の治療や予防のために必要と判断された場合には、網膜の患部へのレーザー照射や眼球内への薬剤注射が行われます。

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(C) 2017 よくある高齢者の病気(症状別)