高齢者の動悸から考えられる病気 -2




■拡張型心筋症 【自覚症状】初期症状として、疲れやすい、倦怠感、運動時の軽い動悸・息切れ。進行すると、不整脈や足のむくみ、痰を伴う湿った咳、首の血管の怒張なども。

拡張型心筋症は、心臓から血液を送り出す心室(左心室、右心室)の筋肉が薄くなり拡張する病気です。心室の容積が大きくなる反面、心筋の壁は薄くなり、血液を送り出す力が弱くなります。特に、大動脈に血液を送り出す左心室の送出量が減少することにより、うっ血性心不全の症状や不整脈を発症し、上記のような自覚症状が現れます。
拡張型心筋症の原因は、依然として十分に判明していません。有効な治療法も確立しているとは言えません。そのため、厚生労働省指定の特定疾患(難病)とされています。治療では、対症療法として主に投薬療法が行われますが、現在の5年生存率(患者が診断確定から5年後に生存している割合)は76パーセントです。唯一完治させることのできる治療法は心臓移植であり、海外ではすでに技術が確立していますが、国内ではまだ実施例がありません。一方、国内では埋め込み型の補助人工心臓の開発が進んでおり、埋め込み手術が心臓移植手術よりも患者に身体的負担をかけないものであるため、高齢者にも適した治療法として期待されます。

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(C) 2017 よくある高齢者の病気(症状別)